2009年04月15日

たしかなピアノとの出会い

 あるとき前田憲男アルバム「ピアノ+1」という、ピアノとベースだけのCDを聴いた。その中に「恋のアランフェス」(ロドリーゴのアランフェス協奏曲第4楽章)がある。
 それは僕の高校一年の時に求めて聴いた曲だった。当時のレコード、その曲は定番のギター曲である。誰もが進む解りすぎる道に疑問を感じ、勝手に繊細な青春の傷心に苦しんで、やみくもに独自の希望にもがいていた時代でもある。
 「恋のアランフェス」は、僕の体を駆けめぐる毛細に暴れる血液に、ありえない静かな安らぎを与えてくれた曲だった。その時に求めた感動が、まさに前田憲男のピアノから青春が復活したのである。
 僕にはジャンルを考えて音楽を聴く習慣はない。ポップスであれクラッシックであれ、ジャズであれ、時の世に流れる流行歌であれ、当たり前のことだが、精神に感じるものは感じ、感じられないものは、どうしても苦手である。
 僕は長年、音楽業界でスタッフの仕事をしていた経過もあり、かなりな数のピアニストとも出会い、それらの音楽を聴いてきたつもりである。
 その僕が、僕にとって本物のピアノの音色、歌う心の伝わるピアノに出会ったのである。それが前田憲男のピアノだった。
posted by 池田和一郎 at 12:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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